PRUGIO通信

韓国ソウル在住。旅、飛行機、写真、そして酒を愛する大阪人のブログです。

韓国の盆、秋夕

日常生活や役所等の公的手続きでは西暦・太陽暦を使う韓国ですが、正月や盆(秋夕)といった伝統行事は旧暦に基づいています。今年2017年は新暦の10月4日(水)が秋夕(추석=チュソク)で、前後に臨時や振り替え休日、週末、ハングルの日が続くため、9月30日(土)~10月9日(月)の10連休と、休みが短めの韓国としては異例の長期連休中です。

うちのカミサンの家族はそれほど伝統を重んじる方ではありませんが、カミサンが高校生の頃に亡くなったお父さん(私の義父)への想いからなのか、盆と正月はそれなりにきっちり行事を行います。

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今年の秋夕は一昨日、仁川の義兄宅に集まってお参りの行事を行いました。上の写真はその際に準備した祭壇です。

韓国では盆と正月前後に離婚が増えるという話もあるぐらい、料理の準備等、お嫁さんに負担のかかる行事らしいですが、うちは「気持ちがこもっていれば良いだろう」と、さばけた家風なので、きっちりと準備する古風な家の人が見ると簡略化している方かも知れません。

卓上に並んでいるのはブルゴギ、大根と牛肉のスープ、白飯、イシモチ(韓国では高級魚)を焼いたもの、ジョンという白身魚やズッキーニ、豚の挽肉、豆腐等に衣を付けて焼いたもの、ワラビやモヤシのナムル、干鱈、干柿、ナツメの実、生の栗、そして林檎と梨です。

私も並べるのを手伝いながら、義兄に並べる順番に決まりがあるのか聞いてみたのですが、「しきたりは有るらしいが自分も良く知らない。まあ、それなりに見栄え良く並べてくれたらいいよ」とのことでした。

秋夕に合わせて売られている、"福"の文字が入った林檎。f:id:prugio:20171006161658j:plain

仏教に基づくスタイルではありませんが、線香を立てます。そして、清酒を注いだ杯を持って線香の周りを三周させて奉げ、절(ジョル)というお辞儀を2回半します。このジョルというのは日本で言う土下座なので、日本人である私は最初は抵抗感が有りましたが最近は慣れてきました。尚、「お辞儀を2回半」と書いたのは、土下座を2回した後、最後は立ったまま90度のお辞儀をする為です。
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家族全員がお参りを済ませると祭壇の食べ物を食べながら歓談します。ところで、カミサン宅の七不思議の一つなのですが、何故か義母はジョルをしません。毎回です。義兄が「今回こそ母さんもやりなよ」と言っても頑なに拒みます。義母宅には義父の遺影を飾っていたりするのでそれなりに夫への想いはあるようだし、生前仲が悪かった訳でも無かったそうなのに、不思議です。理由を聞いても「まあ、今回は遠慮しとくよ」的な答えで毎回ウヤムヤなままです。

今回などは私がジョルをしている最中も義母は後ろの方で兄宅の冷蔵庫を何やらガサガサと整理していて、厳かな気持ちで拝みたかった私は集中できず、苦笑してしまいました。因みに今回の料理の大半は義母が何日も前から準備して手作りしたものだったので(最近は市販のものを買って済ませる人も増えているそうです)、こういった行事を軽視している訳でも無さそうです。何か、義母なりに照れのようなものがあるのかも知れません。

義母は料理が上手く、キムチは勿論、色々な手作り料理を義兄、義妹、拙宅にくれます。味も旨いし有難いのですが、なにせ量が多く、義兄などは食べ切るのに四苦八苦しているそうです。

== 今回、義母と義兄の会話 ==
義兄: 母さん、毎回こんなに沢山くれなくてもいいよ・・・
義母: でも、いつも全部食べ切ってるじゃないの。
義兄: 捨てるのも忍びないから無理に食べてるんだよ。
義母: そう言わず、有り難く受け取りなさい。私が料理しなくなったら、
           その時はボケてしまったってことなのよ。


一通り行事を済ませ、義兄のクルマで義母宅に寄って義母を降ろし、我々は最寄り駅に送ってもらう途中に義母から義兄に電話が掛ってきました。曰く、「携帯をあなたの家に忘れてきてしまった」とのこと。義兄は「さっき何だかんだ言ってたけど、もうボケてるじゃん」と苦笑していました。愛すべき我が親族です。